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新 歪んだ愛の形[後編] [Page 11/12]
11 : そして雨の中で・・・
空は低い雲に覆われていた。しかし、放課後の子供達は元気である。今日は何処で遊ぼうかと相談する子、塾の宿題について話し合っている子など…。そして、その中を一人寂しく歩く正太がいた。
正太は歯を食いしばり、必死に涙をこらえていた。本当は思い切り声を上げて泣きたいのだ。しかし、そうしたら自分に負けてしまう様な気がしていた。
ぽつりぽつりと雨が降ってきた。やがてそれは土砂降りとなり、正太の体を濡らした。傘が無い正太は、そのままずぶ濡れになって歩いた。
いつも竜太と帰る時、彼と別れる交差点にさしかかった。
「じゃあな、正太」
もうその声を聞くことはない。
「さよなら、竜太」
誰もいない交差点で正太は呟くように言った。自分の心にケリをつけるために。
それでも……。
《竜太ぁ…やっぱり忘れられないよぉ…》
正太の頬を流れ落ちるものは雨か、それとも涙か。正太の心を知るものはいない。
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