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特別読み切り 正太の日記 [Page 1/1]
 
9月のある土曜日の夜、正太は机に向かって日記を書いていた。
『9月17日(土曜日)
今日の夕方、竜太に誘われて銭湯に行く事になった。それでママに洗面器とタオルを用意してもらった。僕は予定より30分も早く来てしまった。なぜなら銭湯なんてちっちゃい頃にパパと一度行ったきりだったから、もう楽しみでしようがなかったんだ。
それなのに竜太は予定より15分も遅れてのこのこやってきた。
「悪ィ悪ィ。着替えのパンツに穴が開いててさぁ、別のやつを取りに帰ってたんだ。」
だってさ。本当かなぁ。
僕は竜太に背中を押されて銭湯『亀の湯』に入っていった。番台にお金を払うと、竜太はさっさと脱衣所に行って服を脱ぎ始めた。僕も後からついて行ったら、竜太が何にも隠さないで堂々とパンツを脱いでいた。見てるこっちの方が恥ずかしくなっちゃった。
「早く行こーぜ正太。」
竜太はなぜか僕をせかした。まだ僕は上しか脱いでいないのに。
やっと僕が服を全部脱ぎ終わったときには、竜太はもう浴場に入っていた。
「おーい。早く来いよ。」
竜太は鏡の前の腰掛けに座って待っている。竜太にせかされて僕も浴場に入った。
すっごく広い!向こうに富士山もある。僕は夢の国に来たみたいだった。
「早く来いって言ってるだろっ!」
また竜太だ。何でそんなにせかすんだろう。僕は竜太の隣の腰掛けに座った。
「ちゃんと頭洗ってから入んないと怒られるぜ。ほらほら。」
と言うと、竜太は僕の頭にシャンプーを思いっきりかけてきた。僕は仕方がないから頭を先に洗い始めた。隣で竜太が石鹸を泡立てながらニヤニヤ笑っている。何だかいやーな予感がしてきた。
その予感はやっぱり的中した。竜太が腰掛けの穴から僕のおしりの穴に指を入れてきたんだ。
「やめてよぉ、ここ人がいっぱいいるんだよ。」
僕が言っても竜太はやめなかった。石鹸のせいでおしりの中が焼けるように熱い。竜太は僕が抵抗できないと思っていい気になって僕のおしりをぐりぐりかき回している。
「いい加減に…してぇ…。」
僕のオチンチンがムクムク膨らんできた。嫌な事されてるのにどうしてだろう。やっぱり僕って変態なのかなぁ。
僕はシャンプーの泡を股間に付けてオチンチンを隠した。
「無駄無駄無駄ぁぁ。」
竜太は頭からお湯を思いっきりかけた。おかげで僕のオチンチンはむきだしになってしまった。そして今度はそのオチンチンを握って擦り始めた!
「あっ…やぁっ、やめて…。」
「ほんとにやめて欲しいのかよ。こんなにチンポふくらませて。」
「だって…あっ!でっ…出ちゃうっ!」
僕は飛び出してくる精液を無意識に手で受け止めた。隣で髪を洗っていたおじいさんが僕の声でこっちを向いた。おじいさんは僕達二人を不思議そうに見ている。
「へへっ、こっ…これリンスなんです。なあ正太?」
「えっ?ちょっ…ちょっとぉ…。」
竜太は僕の手を取るとそこに付いた精液を僕の頭にくっつけた!
何とかおじいさんはごまかせたけど、ぼくのあたまはすっかりイカ臭くなってしまった。また洗い直さなきゃ。竜太は隣でバカウケしてるし。
「どうしてくれんのさぁ僕の頭。くっさくなっちゃったじゃない。」
「アハハハハッ…ハハハハハハハッ…悪ぃ悪ぃ、あの場合ああするしかなかったじゃん、アハハハハ…。」
全く何て無責任な奴だ。僕はまたシャンプーをつけて髪を洗い直した。
「ごめんな正太、おわびにコーヒー牛乳おごってやるからよ。」
「僕フルーツ牛乳のほうがいいもん。」
お風呂から上がって、僕は約束通り竜太にフルーツ牛乳をおごってもらった。やっぱりおごってもらって飲むフルーツ牛乳は格別においしい!僕はのどをならして一気に飲んだ。
「ぷはー、おいしかったぁ。また銭湯に来ようかなぁ…。」
「フルーツ牛乳が目当てかよ。もうおごってやんねえぜ。」
「それもあるけど…やっぱり…ねぇ。」
僕は上目遣いに竜太を見た。竜太はニヤニヤしている。
「やっぱりって何だぁ?はっきり言ってみろよ。ほらっ。」
「竜太のいじわる。もうわかってるくせに。」
「わりぃ、冗談だよ冗談。明日日曜だろ?俺ん家に来いよ。たっぷりやってやるぜぇ。」
竜太は僕のほっぺを指でプニプニつついた。
僕達は『亀の湯』を後にした。空にはたくさんの星が瞬いてる。僕は竜太に手を振ってさよならを言った。明日が楽しみだなぁ…。おわり』

正太は鉛筆を置いて大きく伸びをした。土曜日の夜は静かに更けて行く。
 
(本当におわり)
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