殺 意
赤紙・・召集令状がおれに届いたのは、本当に暑かった・・暑かった日のことだった。
その時代に赤紙なんて珍しくない。・・ふたつのことを除けば。
「間違い・・・ねぇよな。モリ コテツ・・おれあてだ・・・。」
それが・・・まだ11になったばかりの俺宛に届いたこと。
そして・・・戦争が終わったあとに・・日本が負けたあとに届いたこと・・・。
「なんだってんだ・・・?」
ぬぐえない謎。だけど・・なぜか、おれの心の中はメラメラともえていた。
とおちゃんとかぁちゃん・・・まだ歩くことも出来なかった妹はみんなまとめて空から降ってきた爆弾の犠牲になってしんじまった。おれが疎開せずに東京で一人でコソ泥同然に生きていたのは・・・兵に志願できる年になったらすぐに出征できるようにだ。・・・鬼畜の毛唐どもをぶっ殺してやるために・・・
・・・・・この赤紙がなにを意味するのかおれは知らない。
だけど・・・・
「ぎぶみーちょこれーと!!ちょこれえと!」
米兵のジープが通るたびガキどもが乞食みたいに群がりえさを欲する。あの中にだって、親兄弟を殺された奴だっているだろうに・・・
おれは・・・負け犬にならない・・なりたくない!
もしかしたらこの赤紙はホンモノの徴兵礼状かもしれない!いまからでも米軍に一矢報いようと、猛者を集めているのかもしれない。
赤紙に書かれた住所を確認すると、おれはゆっくりと進んだ。
すすんぢまったんだ・・・・。
そしておれは今この檻の中に閉じ込められている。尻の穴に、最も憎むべき相手、米兵の一物をくわえこんで・・・・
「やめろっやめろぉぉ!!ああああ!!!」
「クク、まさか本当に今更赤紙で集まる奴がいたとはな・・・どうですかな?ボブソン少佐殿。日本の大和男児の菊の味は。」
「huuu....year,niceview...!」
「ははは!よかったなぁモリ少尉!お前の尻を少佐殿はお気に召したようだぞ!」
おれにデタラメな階級をつけて笑うのは(多分)日本のエラい「元」軍部の奴ら。
おれを執拗に犯しつづけるのは米兵の(多分)エラい軍人。おれの足を切り落とすように日本軍の奴らに命令したのもこいつだ。
ここに来た途端、「強くなる薬だ」といわれて飲まされたもので眠らされ・・・気が付いたらおれは・・・米兵の「慰安役」にされていた。
「はなせ!はな・・・ぐぁああ!!!」
尻からクソの混じった汁鉄砲が弾け飛ぶ。さっきうたれた、チンコがデカくなっちまう薬の副作用でハラがおかしいんだ・・・!
「ははは!見事なうちあげ花火だな!」
「くそ・・みるな!みるなぁ・・!!あああ!!!」
「よろこぶんだなモリ少尉。お前のおかげで米軍の幹部の方々はえらくご機嫌だ。これでこのあとの会合も円滑にすすんで、軍人としての地位を失ったわしらの保障問題もうまく決まるだろう。お前は立派にお国のために働いてるぞ!ホラ!お国のためにもっと、けつをふらんか!!」
「くっ・・ちっちくしょぉ・・・!!」
こ・・殺してやる!!日本のやつらも!米軍のやつらも!ちくしょう・・・ちくしょお・・・・−!!!!
「うを!また漏らしたぞ!たく、汚い小僧だな。」
「ふむ・・なんでしょうかボブソン少佐殿・・ほほぉ、わかりました。おい、さっき切ったこいつの脚をもってこい!クソ止めに肛門にいれてやるんだ!!」
・・絶対っ殺してやる・・・・・・・!!!!!
おれの燃えるような殺意は・・・だけど、薄暗い檻のなかにかぼそく消えていった・・・。
(おわり)
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